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ワイン総合研究所  渡辺 正澄
    抹茶の効果

もう20年ほど前だろうか、ドイツの友人の家を夫婦で訪ねた時の事である。当時、友人のフ−ベルトの血圧(上)が250もあることを知って驚いた。その後、彼には抹茶を3か月ごとに送っている。抹茶のカテキンが血流を改善したらしく、今でも元気でいる。
抹茶には、様々な体に良い成分が含まれている。(抹茶の効能:https://dmatcha.jp/
あるとき、食事の最後にカツオのタタキのお茶漬けにかつお節を加えると、お茶だけではないおいしさが増した。お茶の旨味成分のテアニンの化学構造式は、昆布ダシのグルタミン酸と似ている。テアニンとカツオなど動物系にある旨味のイノシン酸が混ざると、旨味の相乗効果でそれぞれ単独の場合よりも旨味が数倍になる。抹茶には、普通の茶よりもテアニンが多い。この旨味の相乗効果を利用して料理とワインのマリア−ジュに生かすことを思いついた。“抹茶”さん自体に、もし言わせれば、まさに、マッチャリマシタ!(待ってました!の意味らしい?)と、喜んでくれるかも。

    先ずはイカのムニエルとサラダ・抹茶の風味
     1.イカのムニエルとサラダ・抹茶の風味(1人前)

 

スルメイカ1杯(大)の耳、内臓、軟骨、足を取り除いて、胴の部位は、水洗いする。これを輪切りにして塩コショウとレモン汁を振り、片栗粉をまぶしてから、オリ−ブ油できつね色になるまで揚げる。この場合、片栗粉は、カリットとした食感になりやすい。皿にサラダ菜、黄色ピ−マン、三つ葉、酢漬けの紅ショウガのサラダを添える。そして、塩コショウしてレモン汁を加える。最後に粉末の抹茶を適量振れば出来上がり。

この料理には、いま人気の香りの良いニッソヴォのソ−ヴィニヨン・ブランと合わせた。するとソ−ヴィニヨン・ブランを単独で味わう場合よりも、料理と合わせたときの方が、風味が高くなった。特に抹茶、三つ葉、レモンなどに含まれるビタミンCの作用で、一層はつらつとした風味に大満足! 料理の酸味とワインの酸味も、なごやかに一致した。食事の始めに向く料理である。

     2.エビフライとトマトのサラダ・抹茶風味(1人前)

エビ(3匹)の背ワタはヨ−ジで除き、殻は剥がす。エビの腹側の4か所に切れ目をいれる。尾の先は切りとって水を除き、塩コショウを振る。さらに、溶かし卵、小麦粉、パン粉の順にころもをつけてから、170℃のオリ−ブ油で1分間揚げて取り出す。さらに180℃で1分間の2度揚げにするとカリッとしておいしい。皿にレタスを敷き、その上にエビフライを載せた。その脇にトマトとレモン1/4を添える。エビフライが温かいうちに塩コショウとレモン汁を振って、最後に抹茶粉を茶漉してフライに振りかける。

この料理を黒海沿岸の名酒、ゴ−ルデン・リズム・シャルドネに合わせてみた。するとなんと!このワインの樽香が、抹茶の香に相乗して、口中は爆発的に高貴な芳香が広がった。抹茶・アンド・ワインの幸せ感! わび・さびの大和心と、ベートーベンの第九とがメチャクチャに混ざったような複雑な歓喜に♪ この幸福感を神様に感謝した。


     3.ウインナ−・シュニツエルの抹茶添え(1人分)





 

樽香のする白ワインに抹茶の香を追加すると、その香りは牛肉料理に合いそうな香になるのでは?と、前記の「1.エビフライとトマトのサラダ・抹茶風味」の項で推定した。そこで、牛肉料理で白ワインを飲むウインナ−・シュニッツエル(ウイ−ン風牛カツレツ)を作ってゴ−ルデン・リズム・シャルドネと合わせてみた。
ウインナ−・シュニッツエルの作り方は、ステ−キ用の牛肉150グラムをまな板の上に載せて、その上にポリラップを広げて肉を薄くなるまで(約0.5センチ)麺棒で叩いて伸ばす。これに塩コショウをやや多めに振り、卵液(1個分+少々の水と混合)、小麦粉、パン粉の順につけてから、オリ−ブ油(170~180℃)で、きつね色(約2分)になるまで揚げる。揚げ立てのシュニッツエルにレモン汁を振り、さらに抹茶適量を茶漉しで振り分ける。
レモン汁の後で抹茶を振ると抹茶の色も楽しめる。美しく青きドナウ(♪)ではなく、“美しき抹茶の流れ”は目の健康にもなりそう。この料理と樽香とワイン香のすばらしいゴ−ルデン・リズム・シャルドネを合わせた。予想通りの相性に“ピタピタ”と、嬉し涙が出そうになった。

抹茶風味から抹茶ソ−スへ

以上の研究で、抹茶を料理のソ−スとしてワインとの相性に応用することにした。そこで下記のような調合割合の調味料で基本の抹茶ソ−スを作った。この基本のソ−スに、さらに料理と合わせるワインごとに、いくらか、酸味、甘味、刺激味の調味料で調整すると、様々な旨いブルガリアワインと素晴らしい相性が楽しめる。
鶏の胸肉(120グラム=1人分)をひと口大に切り分けて、ホ−クで肉を刺して、下味がつき易いようにする。下味として醤油小さじ1杯、適量の塩・コショウ、おろしショウガ小さじ1杯、刻みニンニク(1片)、レモン汁(大さじ1杯)を加えてよく混ぜる。肉に味をしみこますために、60分ほど放置する。さらに全体を片栗粉でまぶす。一口大の鶏肉は、少量ずつ170℃のオリ−ブ油で二度揚げにする。 揚げ過ぎると肉がパサパサになっておいしくない。一度目は軽く1分半、二度目に1分半ほどで、きつね色になり始めたときに加熱を止めて皿に移し、表面はアルミホイルでしばらく保温する。www.kurashiru.com 片栗粉は、オリ−ブ油で揚げると歯ごたえがあっておいしい。保温が終わった鶏肉は、レタスを敷いた皿に移し、ト−モロコシ(長さ4cm)、トマト(中位を幅1cmにスライスに切って添える。トッピングには、大葉の千切り1枚を添える。これに使う基本の抹茶ソ−スに、刻みニンニク(1片)やワサビ(少量)を補強すると、赤ワインとの相性が、ぐっとよくなる。合わせたワインは、タンニンが柔らかく、高貴でロマンチックな風味のソリ・ピノ・ノア−ルとの相性を楽しんだ。抹茶ソ−スにワサビを多めに加えて行くと、マヴルッド、カベルネ。ソ−ヴィニョン、ロビコギャムザ、メルロ−などと、楽しく合わせられる。

    料理に使うワサビと赤ワインの相性関係

赤ワイン中に含まれるタンニン(ポリフェノ−ル)が多くなればなるほど、ワサビの量はそれに比例して多く加える。ワサビの刺激味は、ニンニクよりも強い。
赤ワインのタンニンの量は、品種によって異なる。タンニンの多い赤ワインの順位は、年号や製造方法にもよるが、多い方から、シラ−>マヴルッド>カベルネ・ソ−ヴィニヨン、ギャムザ>メルロ−>ピノ・ノワ−ルの順位になる。

     4.鴨の燻製とアヴォカド・抹茶ソ−ス(1人分
 

 

真空パックされた市販の鴨の燻製(80グラム)を、ほどよい厚さに切り、皿に並べる。
アボカド1個の皮と種を除き、切り分けて皿の脇に並べる。基本の抹茶ソ−ス(90%)に、オレンジ・ママレ−ド(10%)とすりおろしのニンニク(1片)を、よく混ぜる。マ−マレ−ドの甘味は、赤ワインの刺激味(タンニン)をマスキング(被覆)し、ニンニクは赤ワインの樽の香りと優雅にあう。鴨のような高級肉には、やはり高級赤ワインがふさわしい。ペシテラ社のエフ2エフ(F2F 2014) や、ザグレウス社のマヴルッド・リザ−ブ(2013)など格調の高いワインと合わせる。

こういった赤の高級ワインは、製造後5,6年以上の熟成期間が必要だが、のんべ−には待ちきれない。カモ(鴨)・オン・プリ−ズ!ナズドラベ(カンパイ)! 抜栓1日後に、これらのワインを味わうと、香は満開になるのだが・・・。(続く)





渡辺 正澄 プロフィール

農学博士(京大)、ワイン総合研究所 代表取締役社長、ワインマスター研究会 代表。
山梨大学工学部応用化学科卒。ドイツ・スペイン国際学会等でワインと料理の相性や醸造学などの学術研究を発表。著名な日本のエノロジストの一人として評価される。
国際ワイン醸造経営協会日本理事、社団法人 日本ソムリエ協会名誉ソムリエ。
1978年、日本醸造協会技術賞 受賞。著書に「ワインと料理の相性ピタ・ピタ講座」 「ワインの常識がガラリと変わる本」「ヨーロッパワイン美食道中」などがある。


   
(1)牡蠣とワインの相性(2)牛しゃぶとワインの相性
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