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ワイン総合研究所  渡辺 正澄
 

   ワインは大人のミルク、カキは海のミルク

今年の正月に、友人たちと東京は有楽町にあるレストランで、ブルガリアの黒海沿岸産のワインで乾杯した。そのワインは、マロラクチック発酵と樽熟させた“ゴ−ルデン・リズム・シャルドネ(グラン・プリ−)”の名称で、ブルゴ−ニュの白の名酒によく似ている。この素晴らしいワインと、ニンニクと赤トウガラシ風味のオリ−ブ・オイル煮の新鮮なカキ(牡蠣)とエリンギの輪切り・パセリ−風味の料理“アヒ−ジョ”を味わった。当日のこのワインと料理は、偶然の組合せだったが、ずば抜けた相性の良さに一同の心がなごんだ。
ふとそのとき、ご機嫌の友人が、「“ワインは大人のミルク”(Vinum lac senum) (1) 、 “カキ(牡蠣) は海のミルク。 だから!カキもワインもミルク同士!似たもの同士は相性が良い!」?? なんだか分かったような、分からないようなジョ−クだが大笑い!
頭が変になりそうだったが、この相性の本当の理由は、上記のワインには乳酸が多く、カキにも乳酸が多いことが、相性をよくしていること。その上、オリ−ブ・オイルの包容力!ニンニクやピメントの香りのみならず、食材の旨味まで吸収。その上、ワインの様々な成分とも仲が良い。しかも、オリ―ブ・オイルは樽熟ワイン由来のタンニン(渋味) との相性にも貢献。さらにまた、マッ シュル−ムの香りとシャルドネの樽やミネラル(硫黄系の新鮮な香り)などの香りの相乗効果・・・。これらの成分同士が仲良く協力しあって、滑らかなすばらしい相性が口の中に広がったのだ。
この料理の残ったオリ−ブ・オイルには、食材からの旨味成分が溶け込んでいるので、パン、パスタ、ライス、ポテ−ト・チップスなどに浸み込ませて味わうと、大変おいしくなる。

    オリーブ・オイルは「ワインの”飲用適温”と“料理との相性”表」 (2) の中間系   
    アヒージョとワインの相性の基本になる考え
   

アヒ−ジヨは、 スペイン料理の小皿料理で、オリ−ブ・オイルを加温して、 ニンニク やピメントの風味をつけてから、魚介類や野菜などを調味して煮込んだ料理である。 (3)
前記のように、オリ−ブ・オイルは、アヒ−ジョで、最も重要な役割を演じている。このオリ−ブ・オイルは、「ワインの”飲用適温”と“料理との相性”表」の中で、丁度、真ん中の中間系の位置にある。同様に中間系にあるワインには、タンニンや乳酸がやや多い白やロゼ−などだ。例えば、白ワインのゴ−ルデン・リズム・シャルドネや、 ビラメルニック・ベルグ−ルなど。また、タンニンがやや多い EM のロ ゼ−・デ・ノワ−ル、ホワイト・マヴルッド、バッカス・シャルドネなどがある。
さらに中間系の食材には、乳酸やコハク酸などの多いカキ、ホタテ、イセエビなどがある。
一方、タコ、小エビ、ホタルイカ、タラの白子などのさっぱり味の冷旨系食材は、相性表
の左側にある。しかし、これらの冷旨系食材は、ニンニク・ピメント風味のオリ−ブ油に、塩・コショウ・レモン汁などで調味すると中間系料理に変わる。

中間系料理に、さらに刺激味と甘味のある温旨系のチリ−・ソ−スなどを加えた料理は、刺激味と甘味でマスキング(被覆)されて温旨系料理になってしまい、赤ワイン(温旨系)に合ってくる。甘味は刺激味を和らげる。
以上の考え方を基に、主に野菜と魚介類のアヒ−ジョと、最新の醸造技術で造られたブルガリアワインを中心に、下記のような相性研究を行った。

 

   

(1) : ギリシャ・ラテン引用語辞典、 1993、岩波書店
(2) : www. bulgaria-wine. jp/?mode=f11
(3) :(デジタル大辞泉)

    マドリッドのマッシュルームのアヒ−ジョ

オリ−ブ・オイル、ニンニク、ピメント (赤トウガラシ) 、マッシュル−ム、レモン汁の風味の“アイホ・デ・チャンピニョン= Ahijo del champi??n: マッシュル−ムのアヒ−ジョ ”は、 大分前に、スペインのマドリッドのバル(立ち飲み居酒屋)でタパス (小皿料理) として味わった。だがその時に味わったワインは、なんだったか思い出せない。たぶん、フィノ・シェリ−だったかもしれないが? ただよく覚えているのは、その夜の梯子酒に立ち寄ったバルで、さわやかな白ワインの“ヴィニョ・ヴェルデ”を、独特な“陶器の酒杯で味わったことだ。その酒杯は、日本酒の酒杯(おちょこ ) より、大きくて平べったく100 ml ほど入る白製陶器であった。ブルガリアでも、食事の始めには、日本酒の酒杯(おちょこ)に似た陶器でラキア(プリス カ・ブランデ−など)を、ナストロベ!と叫んで愉快に乾杯している。

   マッシュルームのアヒージョ (4) (2人分)

さて、ここで調理するマッシュル−ムのアヒ−ジョは、先ず小さめなフライパンに、オリ−ブ・オイル50 mL を入れる。この中に、ニンニク2かけらのみじん切りとピメント(赤トウガラシ=タカのツメ)の種を除いた皮1本分を砕いて加え、低めの温度で加熱する。この時、オリ−ブ・オイルに泡が出てきて、ニンニクがきつね色近くになって良い香りがしてきたら、すぐに、マッシュル−ム14個(2人分)を加え、塩・コショウとレモン汁を適量振り混ぜて入れる。加熱中にマッシュル−ムが、いくらか小さくなったら、フライパンから取り出して、小皿2枚に7個ずつ配って出来上がり。この場合、オリ−ブ・オイル、コショウ、ニンニク、ピメントは、ワインのタンニンに、レモン汁(冷旨系)は、ワインのリンゴ酸や酒石酸(冷旨系) に合い易い。それらの要素に合うワインは、辛口白のバッカス・シャルドネや、赤ぶどうの果皮を除いて造ったホワイト・マヴルッドなどだ。
(4) : http://cookpad.com/recipe/1071370

ゴ−ルデン・リズム・シャルドネ
さらに、できあがったこの料理に、コショウまたはニンニク、リンゴ・ヴィネガ−を足すと、樽熟白でミネラル香のあるゴ−ルデン・リズム・シャルドネにピタ・ピタと合ってきた♪しかも、リンゴ・ヴィネガ−は、ゴ−ルデン・リズム・シャルドの樽香やミネラル香に協調した、相乗効果が認められ、一層、華やかな風味が楽しめた。

 

   
    オリーブ・オイルとザワー・ブレッド(乳酸発酵のパン)

この料理に使った残りのオリ−ブ・オイルは、丁度、京都の友人から頂いた広島のアンデルセン社のザワ−・ブレッドに浸けて食べタところ、ナント!ナント、おいしくてびっくりした。    

   タコとセロリー・シメジ・トマト・レモンのアヒージョ(2人分)

前記のように、小型フライパンに、ニンニク・ピメント風味のオリ−ブ油約50ml を入れ、ゆっくりと加熱する。この中に、あらかじめ準備しておいたセロリ−の表皮の筋をピ−ラ−で除いて斜め薄切りを適量、根元を切り除いたシメジ(半パック分)、ミニ・トマト7個の半切り、塩・コショウ・ ショウガのしぼり汁などの適量を加えて弱火(90℃) で煮る。最後にタコの刺身(約14 0 g) を加えて加熱を止める。

フライパンから取り出して、タコと上記の野菜は、小皿2枚に分けて冷蔵庫で冷やす。この料理に、さらにレモン汁を振りかけて冷旨系料理にして、やはり、さっぱりした冷旨系ワインを選んだ。この場合、白のソ−ヴィニヨン・ブランやモンテロイヤル・スパークリングなどとの相性がよい。
タコは加熱し過ぎると固くなって食感が悪くなる。加熱を続けると、タコは、だんだんと弾力がなくなっておいしくない。

 

 
   ボイル・べービー・ホタテの野菜煮込みとケイパーの風味(2人分)
   陸奥湾のベビー・ホタテ
   

ベビ−・ホタテの名産地としては青森県の陸奥湾がある。 生後1年半ほどのベビ−・ホタテは、 4月から8月にかけて草木のミドリの時期が旬。旨みを逃さないようにボイルしてから急速冷凍して出荷される。 さて、 ここでは、気軽に味わえるおいしいボイル・ベビ−・ホタテのアヒ−ジョとワインの相性を研究する。 このアヒ−ジョも、ニンニク・ピメント風味のオリ−ブ・オイル中で、ゆっくり加熱する。この場合、セロリ−1茎の外側
の筋をピ−ラ−で除いてみじん切り、ミニ・トマト7個の半切り、エノキダケ2個(縦が8 cm、横が2〜3cmくらい)を1cmの輪切り、塩・こしょう適量・レモン汁半個分を混ぜてから、フライパン中に加える。 www.umai-aomori.jp >

    酢漬けケイパーの味と香りが魅力

フライパン中のオリ−ブ油と野菜類がゆっくり煮えてきたら、新鮮なボイル・ベビ−・ホタテ(14個)を加えて火を止める。フライパンの中のホタテと野菜類を、小皿2枚に分ける。 さらに、酢漬けのケイパ−と新鮮なパセリのみじん切りを適量加える。このアヒ−ジョには、さっぱり系(冷旨系)のトマトやレモンのクエン酸や、ケイパ−自身の風味と、酢漬けの揮発酸(酢酸) の香りや酸味によって、さっぱり系の辛口白ワインのシャルドネ、ホワイト・マヴルッド、ソ−ヴィニヨン・ブランなどが、ピタピタとなる。♪オ〜・ホタテは(牧場は)〜ミ〜ドリ♪ これから夏にかけての絶品級!

    ボイル・べビー・ホタテのアヒージョ・イチゴ・ジャム添え(2人分)と甘口 白

例によって小型フライパンに、ニンニク・ピメント風味オリ−ブ・オイル50 ML を加温して、ボイル・ベビ−・ホタテ(14個)を加えて熱が入ったらすぐ冷やして、イチゴ・ジャムとレモン汁適量と混ぜる。ワインのアロマにイチゴの香りが加わり、やや甘口の ムスカット・オットネルやバブル・スパ−クリング・ロゼなどと味わうと、春光注ぐ、のどかなイチゴ園にいるような気分になる。

 

   
    タウリンの健康効果!美味しいだけではない魚介!

今まで述べたカキ、タコ、ホタテなどには、人間の健康に良いタウリンを多く含む魚介類である。タウリンは、血圧降下、肝機能の向上、血中コレステロ−ルの低下、血行の促進など、さまざまな効果がある。 www.datumousyou.com

    エビのアヒージョ・ショウガ風味(2人分)

エビ(中位のブラックタイガー)10匹の背中から、しっぽまでナイフできれいに開き、黒い背ワタを取り除く。背開きした面に、ナイフで横に切れ目を入れる。こうすると加熱したとき丸まらない。さらにエビの臭味を除くために軽く酢洗いして、塩・すりつぶしたニンニク2片のみじん切り、ショウガ汁・大さじ1杯、塩、レモン汁、大葉のみじん切り適量を混ぜる。これらを加温しておいたニンニク・ピメント風味のオリ−ブ・オイル・に入れて、エビの下面が赤くなったら、ひっくり返して火を止める。これを小皿2枚(エビ5匹ずつ) に分けて出来上がり。

リンゴ・ヴィネガ−の効果
これに合うワインは、 バッカス シャルドネ ソ−ヴィニヨン・ブランなどだ。特に.ゴ−ルデン・リズム・シャルドネと合せるときは、このアヒ−ジョにレモン汁の外にリンゴ・ヴィネガ−を少量振りかけると、ヴィネガ−香とワインにあるミネラル香(硫黄系芳香成分) が相乗して香りが一層よくなった。あ〜非常においしい、ア〜ヒ−ジョである!

         
          

   
    タラの白子のアヒージョ・ポン酢添え (2人分)

加温したニンニク・ピメント風味のオリ−ブ・オイル50 mL 中に、あらかじめ、一口大に切った新鮮なタラの白子100 g に、塩・コショウしてから、ミニトマト7個の半切りを加える。白子に火が通ったら加熱を止めて、大葉の千切り適量を加える。白子は新鮮なほど臭みがなく、まろやかでおいしい。このとき、ポン酢で味わってみよう。その場合、ホワイト・マヴルッドヤシャルドネなどがおいしい。ポン酢中の醤油成分の乳酸は、ホワイト・マヴルッドのタンニンに合い易い。またポン酢中のお酢(酢酸) は、シャルドネのリンゴ酸や酒石酸などに合う。醤油の香気とシャルドネの香気が、ピタ・ピタと合って、ほっ“たら”かしてはおけない風味になった。

   ホタルイカのアヒージョ(2 人前)

始めに、新鮮なホタルイカ (20匹) の目玉と軟骨を骨抜きで除き、適量の塩・コショウを振る。次にアスパラガス (2本) の外皮の硬い下部は、ピーラ−で剥ぎ取り、2 cm の輪切りにする。小型のフライパンに、ニンニク・ピメント風味のオリ−ブ・オイル50 mL 入れて加温して泡がでてきたら、アスパラガスを入れて煮ながら、ほぼ、1分後にホタルイカを加えて煮えたら、直ぐに. ホタルイカとアスパラガスをフライパンから取り出して、小皿2枚に分けて入れる。これらに、レモン汁少々とケ−パ−の酢漬け(20粒づつ) )を加えて混ぜる。この味付けで、ホタルイカは、一段と滑らかな食感になった。またレモン汁とケ−パ−の酢漬けは、ホタルイカの臭味を消し、ケ−パ−の酸味はワインの酸味によく合う。
このアヒ−ジョには、シャルドネヤホワイト・マヴルッドなどに大変よく合っておいしい。

     赤ワインと合す

さらに、このアヒ−ジョを赤ワインに合わすには、前記の味付けに加えてスイ−ト・チリソ−スを、やや多めに加えてると赤ワインに合ってくる。ケ−パ−の酢漬けの酸味も赤ワインの酸味に合う。なお、スイ−ト・チリソ−スを赤ワインに加える量は、赤ワインのタンニン量によって決まる。一般的に、ピノ・ノワ−ル<メルロ−<カベルネ・ソ−ヴィニヨン=マヴルッドの順位で加える量は多くなる。スイ−ト・チリ−ソ−スに含まれる刺激味のピメントは、赤ワインのタンニンに合い、甘味(糖分)は、赤ワインの渋味を消す効果がある。

   

( 続きはこちらです→アヒージョ とワインの相性II


   
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