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ワイン総合研究所  渡辺 正澄
 
   

数年前に、(株)ニュ−ニチブの染谷日出輝社長が団長で、ブルガリアのワイナリ−と有名なバラ祭の見学に行った。このなごやかで素晴らしいバラ祭は、毎年6月の第一週末に開催される。

 

 




  図1:カザンラク市のバラ祭
   

図1は、ブルガリア観光局のブルガリア・オフィシャル観光サイト(カザンラク市)のHPより引用させて頂いた:ブルガリア観光地情報:www.club-t

    ◆バラ祭見学中の珍事

バラ祭で最も有名なカザンラク市のメイン・ストリ−トでのバラ祭の行列は、観客に、香りの素晴らしいバラの花を撒きながら楽しく行進する。その祭を、スト−リト脇の歩道に用意された長椅子に心地よく腰かけて喜んで眺めていた。その暫く経ったときに、急に、腹部に激痛を感じた。笑わないでください。恥ずかしいですが、便意を催してきて、静心無く素晴らしいバラ祭の行列が無念にも見られないパニック状態(涙)!仕方なく近くのホテルにもどり、用をたした後は、なんと静かなること林の如し!
ヨ−グルトの機能性
よくよく考えてみると、前の晩の夜食のヨ−グルトと、その日の朝のホテルの旨いバイキンングで、ヨ−グルド系の料理をたっぷり食べたことが原因かも。
帰国してヨ−グルトの機能性を調べたのも、上記のお笑いの体験からである。すると、ヨ−グルトには、優れた整腸効果だけでなく、菌株の違いで、痛風の軽減、美容効果、体重の減量、アレルギ−の改善、免疫力の増強など・・・優れた効果に、ひっくり返りそうになった。tabemono-news.com

    ◆ヨ−グルトの酸味は、多量のアミノ酸や脂質によって、冷やしてもおいしい。

ヨ−グルトに敬意を表して、最近では毎日欠かさずヨ−グルト製品を食べるようになった。
ヨーグルトには蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養分が含まれている。特に料理とワインの相性で重要な役割を演じる乳酸の量は、ほぼ0.7〜0.8%(長期発酵で1.0%)で、ワインの酸の量(総酸=酒石酸、リンゴ酸、乳酸などの総計)とほぼ同様の%である。www.nyukyou.jp/cgi/dairy/ また牛乳のタンパク質の一部は、乳酸菌によって旨味成分のアミノ酸に分解されるので、ヨ−グルト中のアミノ酸は牛乳よりも多い。www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/)   
なお、ヨ−グルト中の脂質は、乳酸にある渋味をマスキング(被覆)する。さらに、乳酸はヨ−グルト中のアミノ酸の緩衝作用や脂質によって酸味を和らげる。(岩田、秋山、鈴木:清酒の緩衝作用について第1報、日本醸造協会誌、1964) 

ヨ−グルトは冷旨系?
つまり、アミノ酸や脂質によって、常温以上で乳酸の渋味は消されて(マスキングされて=被覆されて)、あたかも冷旨系有機酸(リンゴ酸や酒石酸)のように、さわやかな酸味になる。言い換えれば、ヨ−グルトは、ピタピタワインの相性表では、“冷旨系食材”に含まれることになる。

パニッツアは、なぜおいしいのか
ブルガリア特製のパンであるパニッツアがおいしいのは、焼く前のパンの表面に、酸味や、アミノ酸の多いヨ−グルトやチ−ズを塗って作るからであろう。

相性を楽しむ
そこで、和風料理とワインの仲介役の調味料中に、独特な風味と旨味のヨ−グルトを加えたソース(たれ)を作った。このソ−スは乳酸菌をできるだけ生かすために加熱せずに和風料理に添えて、ブルガリアワインとの相性を、心が和む音楽と共に楽しむと一層楽しくなる。なお、ここで述べているヨ−グルトは、砂糖やそのほかの添加物を一切使わないプレ−ン・ヨ−グルトを指す。

和風ヨ−グリルト・ソ−スの作り方
このソ−スの材料割合は、基本的に、ほぼ、次のようになる。
〇:醤油50%+米酢20% + ヨ−グルト20%+おろしショウガ10%
また、ホエイ(乳清)には、乳酸の外に旨味成など含まれているので、調合の際にホエイは混ぜたままのヨ−グルトを用いた。ヨーグルトは、塊りになっているにで、図1のように、茶漉し器で均一にする。このソ−スを仲介して、さっぱり系(冷旨系)の料理と辛口白ワインの相性は、なめらかで、おいしいことが分かった。




 
    図1:右側の皿の中のソ−ス中で分離しているヨ−グルトは、左側の茶漉しで濾過して均一にしてから用いる。
   
     1. タコ、小コエビ、プチトマトの和風ヨ−グリルト・ソ−スのサラダ(1人前)
   





  図2:タコ、小コエビ、プチトマトの和風ヨ−グリルトのサラダ  
   

この料理の食材は、タコ30gの乱切り、軽く茹でた皮むき小エビ4匹、プチ・トマト5個、カイワレ20本、適量のみつばの雑切りを皿に入れる。
次に、1人分のソ−スとして、全量50mLを用意した。上記の%から計算して、メスシリンダで計った 醤油25mL+米酢10ml + ヨ−グルト10mL+すりおろしのショウガ汁5mLとした。これらを均一に混ぜてできたソ−スを、皿の上の調理済の食材に混ぜて出来上がり。

この新しい風味の料理は予想どおりに、辛口白のブルガリアワインのほとんどに、めでたく、ピタピタと和やかに合った。合わせたワインは、バッカスのシャルドネやムスカット、ホワイト・マヴルッド、ニッソボ・ソ−ヴィニヨン・ブランなどだ。




 

   

このソ−スにニンニクやマスタ−ドを追加するとさらに、優雅な樽熟香やタンニンがやや多く、しかもミネラル香(酵母や乳酸菌の自己消化に由来する新鮮な香)のする名酒、ゴ−ルデン・リズムのシャルドネには、上記のソ−スに、さらにニンニク適量を追加した。こうするとニンニクはワインの樽香を一層魅力的にする。このワインと料理は、久方の静心あるおだやかな春が来たような連想がわく味わい。まるで、ゴッホの名画「春の園」(アムステルダムの美術館で展示:www.musey.net.>MUSEYを見たときのようなほのぼのとした気分になる♪

さらに、さらに、この料理に、マスタ−ドをちょっと追加すると、赤ワインの出番になる。ザグレウス・ワイナリ−の赤の眩(マヴ)しい名酒マヴルッド・リザ−ブとの相性のよさに、上を向〜いて飲〜もう♪




 

   
     2.アジのエスカベ−シュ・和風ヨ−グルト・ソ−ス風(1人分)
   





  図3:アジのエスカベ−シュ・和風ヨ−グルト・ソ−ス風 
   

アジの南蛮漬けは、フランスやスペインの料理のエスカベ−シュに似ているが、南蛮漬けは、ソテ−した小アジを、醤油、米酢、みりん、赤トウガラシなどでを加えたたれ(ソ−ス)に浸ける。本来のエスカベ−シュは、ヴィネガ−、塩、タイム、カイエンペッパ−、コリアンダ−などを水に加えて沸騰させた液を、ソテ−したサバやイワシにかけてマリネした料理だ。南蛮漬けもエスカベ−シュも冷やして食べる。(山本直文:フランス料理用語辞典、白水社、1997) 

     1人分のレシピ−

このソ−スは、前記の1の和風ヨ−グルト・ソ−スと同じにする。
食材は、小玉ネギ半個の薄い輪切り、中型の赤と青のピーマンの縦切り(2cm)の4〜5個、もやし適量などをオリ−ブ油で炒めておく。アジは体長10cm以下で、腹ワタを除き、水洗いしてから、塩コショウで軽く下味をしてから、コ−ン・スタ−チを軽くまぶす。フライパンにオリ−ブ油を流して、アジをソテ−する。アジに焼き色が軽くついたら、フライパンから取り出して皿に載せる。さらに、その上にオリ−ブ油で炒めた野菜を載せる。これらに、熱いうちに上記のソ−スを、手早く振りかけて出来上がり。

この料理は辛口白ワインによく合っておいしい。このソ−スに、おろしニンニクを効かせると、素晴らしい樽香のある辛白のゴールデン・リズム・シャルドネとピタピタだ。このワインの産地は、美しい黒海沿岸にある。この名酒でエスカべ−シュがエ−スカ?おいしくエスカレ−ト♪。



 

   
      3.豚肉とタケノコのサラダの和風ヨ−グルト・ソ−ス風(1人分)
      このソ−スも前記の1と同様においしい。
   





  図4:豚肉とタケノコのサラダのヨ−グルト・スィ−ト・チリ・ソ−ス風
   

食材は、豚の薄切り50g、茹でた小タケノコ縦1/4個のくし型切りを3等分、ピーマン小1個の一口大、トマと小1個の四つ切り、中ゴボウの斜め薄切り4枚、アスパラガス半分の2 cm横 切りなどを、フライパンに入れてオリ−ブ油で炒める。これらを皿に移し、上記レシピ−のソースをかければ、香りのよい料理の出来上がり。バッカスのムスカットやシャルドネなど、さっぱり系(冷旨系)の白と合わせるとおいしい。野菜のなかでは、ゴボウとタケノコなどが、料理の風味を高めている。それにトマト、醤油、米酢、ヨ−グルトなどが渾然一体となって、ワインの酸味との相性に役立っている。もう一度作りたい味わい“ン”!なんです。

     4.小エビと小ホタテのうどんのヨ−グルト・・ソ−ス風(1人分)

このソ−スも、また前記の1と同様である。




  図5:小エビと小ホタテのうどんのヨ−グルト・チリ・ソ−ス風
   

先ず、うどん1人分は、茹でて冷水で水洗後、どんぶりに入れる。小エビ4匹と小ホタテ4匹は、下あじとして軽く塩・コショ−した後、コ−ン・スタ−チを少々まぶして、オリ−ブ油ですばやく(30〜60秒以内)ソテ−して、しばらく放冷する。茹でたうどんは冷水で水洗い後、どんぶりに移す。これにプチトマト3個、塩漬けオリ−ブ5個、大葉とその穂先適量の雑切りを混ぜる。さらに放冷した小エビと小ホタテを加えて、最後に和風ヨ−グルト・ソ−スを混ぜれば完成。

この料理に合わせる辛口白ワインとして、赤ブドウの果皮の赤色色素を除いて、白ワインと同様に発酵させたワインのホワイト・マヴルッドとの相性を楽しんだ。料理の酸味とワインの酸味のバランスがとれている。ホワイト・マヴルッドのかすかな甘みが、料理になじむ。このワインのタンニンが、料理に含まれるショウガの辛味にピッタリ。このホワイト・マヴルッドは、ブルガリア南部のトラキア地方のワインだ。 ワインの友、ブルガリアより来る。また楽しからずや♪
 

   
     5.冷やし牛しゃぶ・どんの和風・ヨ−グルト・ソ−ス+マスタ−ド添え(1人分)
 

 

  図6:冷牛しゃぶのヨ−グルト・ソ−ス+マスタ−ド添え
   

すき焼き用の牛肉100 gを約5 cmの長さ、幅 3 cmに切る、えのき半束の根元を切り捨てる。これに鶏卵1個の中身を混ぜてオリ−ブ油で軽く炒める。トマとは中位半個を四つの輪切り、サラダ菜適量を手でちぎる。これらをどんぶりに入れる。牛肉50g を、3cmの長さに切り、塩1% の熱湯に、さっとくぐらせて肉の赤色が消えたら、皿に載せて冷やす(約20℃)。冷えてきたら、どんぶりに移す。乾燥うどん(1人分)は、熱湯で8分ほど茹でて冷水で冷やしてからどんぶりに入れる。

ここでは、和風ヨ−グルト・ソ−スにデジョン・タイプのマスタ−ド(温旨系)を、スプ−ン半分ほど追加して混ぜる。マスタ−ドによって、この料理は赤ワインとの相性がよくなる。
そこで、ブルゴゾ−ネ・ワイナリ−の樽熟とマロラクチック発酵(乳酸発酵)させたコートダニューブ・メルローと合わせた。マスタ−ドによってメルロ−との相性は、ピタピタの味わいになった。
 

 

   
     メルロ−の色調は、ポピ−の花の色

おまけに、メルロ−の色調は、近くのドナウ河沿岸で咲き乱れている野生ポピ−の美しいガ−ネット色とピタリだ。ポピ−は、ブルガリア以外でもヨ−ロッパ各地のブドウ畑の脇で、よく見かける。 5月下旬から6月初旬に咲くポピ−は、緑の濃くなった林やブドウ畑の周りを、一層華やかにして“ハピ−”の気分のさせてくれた♪

            
   

図7:ブルガリア北部のドナウ河沿岸の
   
手前の花はポピ−

図8:ガ−ネット色の野生のポピ−が
   ニッコリ笑って見える写真


渡辺 正澄 プロフィール

農学博士(京大)、ワイン総合研究所 代表取締役社長、ワインマスター研究会 代表。
山梨大学工学部応用化学科卒。ドイツ・スペイン国際学会等でワインと料理の相性や醸造学などの学術研究を発表。著名な日本のエノロジストの一人として評価される。
国際ワイン醸造経営協会日本理事、社団法人 日本ソムリエ協会名誉ソムリエ。
1978年、日本醸造協会技術賞 受賞。著書に「ワインと料理の相性ピタ・ピタ講座」 「ワインの常識がガラリと変わる本」「ヨーロッパワイン美食道中」などがある。



バックナンバー    
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